講座2-1 そもそも電気の正体はナニ?

記事の概要

皆さんが毎日当たり前のように使っている電気。照明器具や、スマホ・パソコンの充電器、テレビ、掃除機、冷蔵庫、洗濯機など、様々な家電のプラグをコンセントにつなげば、電気が流れて、それらが使えるようになりますよね。でも、電気が流れているところは、目に見えないので、「そもそも電気って何なんだ?」って思う人もいるかもしれません。 この記事では、電気の正体について説明していきます。

目次
  1. 電気の正体は、「電子」という目に見えないほど小さいものの流れ
  2. 原子とは…
  3. 電子とは…
  4. 電子の中には、動きやすいヤツらと動きにくいヤツらがいる
  5. 動きやすいヤツ(電子)は、「電圧」がかかると、原子から原子に飛び移るようになる
  6. 電気の正体は、電子がどんどん飛び移る流れのこと
  7. 電子の流れは、私たちが言う電気の流れとは反対です

第2-1話 そもそも電気の
正体はナニ?

第2-1話 そもそも電気の正体はナニ?

(1) 電気の正体は、「電子」という目に見えないほど小さいものの流れ

「電気の正体ってナニ?」この回答に、先にお答えしましょう。それはズバリ、「<電子:でんし>というという粒の流れ」なのです。この電子というものは、超小さすぎて目には見えません。どれくらい小さいかというと、原子レベルの話で小さいのです。

「原子:げんし」という言葉は、皆さん中学校のときに習ったと思います。・・・習いましたよね!?忘れてるかもしれませんが 笑

 原子は、物質を構成する最小単位の粒ですね。スイ(H)・ヘー(He)・リー(Li)・ベー(Be)・ぼくのふね(B・C・N・O・F・Ne)… という周期表の呪文を中学の時に皆さん唱えたと思いますが、原子というのはこいつらのことです。では、電子について説明したいので、そのためにまずは原子をおさらいしましょう。ここから、「原子」と「電子」というような似たような言葉が飛び交うので、混乱しないでついてきてくださいね。

(2) 原子とは…

 原子は、次の図1のようなやつです。多分、中学校とかで1回は見たことがあるんじゃないでしょうか!真ん中に「陽子:ようし」「中性子:ちゅうせいし」でできた核となる部分があって、その周りを 「電子」 がくるくる回っているのですが、この陽子・中性子・電子をまとめたひとくくりが、「原子」です。「陽子」とか「中性子」という新しい言葉が出てきちゃいましたが、ここではあまり気にせず進んじゃいますね。そういうものがあるとだけ、思い出して覚えていてください(気になる方は、どんどん自分で調べてみて下さい!)。

 なお、原子には、スイ(H)・ヘー(He)・リー(Li)・ベー(Be)・…という種類の違いがあることも、皆さん中学のときに学ばれているのではないかと思います!この原子の種類(名前)分けを昔の科学者がどのように行ったかというと、陽子の数と中性子の数の違い、つまり核となる部分の違いによって行いました。

図1 原子を表した図

また、複数の原子同士が強く結びついて、「分子」というものを作ることがあります。「分子」=1種類でもたくさんの種類の原子でもいいけど、とにかく原子が複数集まって強く結びついたものと覚えましょう。

私たちの生きている地球上のすべてのモノは、さまざまな種類の原子・分子が複雑に混ざり合ってできています。

なお、原子はどのくらい小さいかというと、1メートルの、1/10000000000くらいの大きさです。ゼロ多すぎです。肉眼で見えるわけないですね 笑。

ナゼる アシスタント
これ、ナンて読むんですか?100億分の1メートルデスか!?
ぜっきー主任
それも正解ですが、0.1 ナノメートル(0.1 nm)とも言いますね。
また、専門的には、「1オングストローム」と言ったりします。単位の記号は「1 Å」です。豆知識まで!

(3) 電子とは…

 「電子」は、原子の一部であり、原子の核となる部分の周りをくるくる回るものとお話しました。1つの原子の中にいる電子の数は、その原子の中にいる陽子の数と同じになります。陽子の数が1個の原子は、電子も1個。陽子の数が50個の原子は、電子の数も50個といった具合です。

(4) 電子の中には、動きやすいヤツらと動きにくいヤツらがいる

 原子・分子の中にいる電子には、実は動きやすいヤツらと動きにくいヤツらがいます。動きやすいヤツ・動きにくいヤツの数は、原子・分子の種類ごとに違いますが、基本的には、

・一般に、電気を通しにくいと言われる物質を構成する原子・分子は、動きにくいヤツ(電子)しか持っていません

・一般に、電気を通しやすいと言われる物質を構成する原子・分子は、動きやすいヤツ(電子)を少し持っています。

・なお、いくら電気を通しやすい物質を構成する原子・分子でも、持っているすべてのヤツ(電子)が動きやすい、という原子はほとんどありません。普通、1つの原子の中で、動きやすい電子は1~3個程度で、それ以外の電子はすべて動きにくいです。

 例えば、ゴムは分子でできていますが、「電気はきかない!ゴムだから!」とワンピー●のルフ●が言う様に、ゴムは動きにくい電子しか持っていません。

 逆に、金属は電気を通しやすいとよく言いますが、金属を構成する原子は、動きやすい電子を少し持っていて、そいつらを専門用語で「自由電子」と呼んだりします。

(5) 動きやすいヤツ(電子)は、「電圧」がかかると、原子から原子に飛び移るようになる

 動きやすいヤツ、つまり動きやすい電子の性質について、もう少し説明します。また、「電圧」という言葉についても、新たにここで出てきますが、これについても説明します。

 「電圧」は、皆さん1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。また、電圧は知らなくても、「ボルト」という単語は聞いたことはありませんか? 「電圧」は、物質に電気の流れを作る「引力」のようなものです。この引力の強さを、「ボルト」という単位で表します。例えば、乾電池は1.5ボルト、日本のコンセントの電圧は100 ボルトですが、このボルトの大きさが高ければ高いほど、引力が強くなります。

 では、この電圧の引力が、何を引き付けることができるかというと、電子を引き付けることができます。電圧という引力が発生している場所に電子が置かれたとすると、電子は、電圧が高い方に向かって、坂道を転がるように加速しながら進みます。私たち人間も、高いところからジャンプすると、地球の重力という引力に引き付けられて、加速しながら地面に落ちていきますよね。電圧と電子の関係にも、重力と人間の関係と同じようなことが起こっているイメージです。

図2 電子が電圧の高い方に引き付けられるイメージ

 ある電気を通しやすい物質に、「電圧」という引力がかかるとします。すると、物質を作っている原子の中にある、動きやすい電子は、もともとある原子の核の周りを回っていたのに、電圧という引力に引っ張られて、近くにいる違う原子からまた違う原子に、どんどん飛び移るようになります。

図3  動きやすい電子が、電圧に引っ張られて移動していくイメージ

(6) 電気の正体は、電子がどんどん飛び移る流れのこと

この「電子がどんどん飛び移る」という動きは、電圧という引力がかかっている物質中の原子すべてで起こります。つまり、電圧がかかると、物質の中にいるものすごい数の動きやすい電子が、一斉に動いてピョンピョン飛び移って、電圧が高い方に移動するわけです。

この、ものすごい数の電子の集団的な動き(流れ)こそが、「電気」の正体なのです!

図4 電気の流れの正体は、電子の集団的な動き

(7) 電子の流れは、私たちが言う電気の流れとは反対です

ここで1つ注意しなければいけないのは、図4にもあるように、

私たちが普段「電気の流れ」と呼ぶ方向は、電子の流れとは反対方向だということです。

これは、昔の物理学者さんか誰かが、そういう風に決めたので、そう思うしかないですね。

そもそも、乾電池のプラス(+)、マイナス(-)側も、誰かがそういう風に決めたものを、世界の人々が共通の認識でそう使っているので、ここは共通認識と思ってそのまま覚えることにしましょう。

ここから少し、ややこしい話をするので、ややこしいと思ったら読むのをすぐやめて、「電子の流れと、普段私たちが言う電気の流れとは反対」とだけ覚えてください(笑)。

原子1つの中には2種類の電気の性質が存在し、それぞれ陽子と電子が2種類のうち、1つずつの性質を持っています。この中で、陽子は「プラスの電気」を持っていて、電子は「マイナスの電気」を持っているということにする、そう呼ぶことにすると、物理学者さんらが決めました。

マイナスの電気はプラスの電気に引っ張られ、プラスの電気はマイナスの電気に引っ張られる。マイナスの電気同士は反発し、プラスの電気同士も反発するという、磁石のNとSの関係と同じような性質があります。

電圧は、プラスの電気に近い方が高く、マイナスの電気に近い方が低いという性質があります。

私たちが小学校で覚えたのは、「電気は、乾電池のプラスからマイナスに向かって流れる」ということだけだったかと思いますが、

事実としては、

「電気は、乾電池のプラスに発生している電圧が高いところに向かって引っ張られる、マイナスの電気を持った電子の動きである。ただ、『電気の流れ』というときには、電子の流れとは逆の向きを『電気の流れ』ということにしている。」

といったところですね。

マイナスという言葉は引き算とは違って中学校で習う概念ですから、小学生に説明してもわかりません。おそらくそんな理由から、マイナスの電気を持つ電子の説明などは、小学校ではなされないのでしょう。。。

ぜっきー主任
ということで!電気の正体の説明については、ここまで!
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