講座3-2 工業のルールってナニ?

記事の概要

第3-1話では、「物にはルールに従って作られているものがある」、「このルールを、規格とか標準と呼ぶ」ということに触れました。じゃあ、具体的に物作りのルールってなんなの?という質問に答えるお話を、この第3-2話でしていきたいと思います。

目次
  1. 物作りにおけるルールとは?~ネジの例を参考に~
  2. 物作りのルールは、どこに書いてあるの? => JISを調べてみよう
  3. で、ネジのJIS規格は?
  4. 規格はJISだけしかない? => いいえ、色々あります!

第3-2話 工業のルールってナニ?

第3-2話 工業のルールってナニ?

(1) 物作りにおけるルールとは?~ネジの例を参考に~

 物作りのルールを説明する上で、わかりやすいのがネジ・ネジ穴です。

ネジ画像

みなさんはネジのこと、「クルクル回すだけでどんどん穴に入っていくヤツ」くらいにしか思っていないのではないでしょうか?筆者も当然、昔はそうでした。そう、規格というものを知るまでは…

 実は、このクルクル回せばどんどん入るのは、ネジの溝の形が、ネジ側と穴側でピッタリ合っていないと起こり得ないことなんです(そうでないと、途中で引っかかって、入っていきません。。。)。しかも、この溝の形には、実は様々な要素があります。様々な要素というのは、例えば次の図に示すような寸法です。

ネジ寸法図

(引用:

第12話 基本に帰るシリーズ!ねじの基準寸法 | NBK【鍋屋バイテック会社】 (nbk1560.com)

https://www.nbk1560.com/resources/specialscrew/article/nedzicom-topics-12-reference-dimensions/)

ネジの小さーな溝には、寸法について実はこれだけのことがルールとして決められていて、

これらを守って作られているネジとネジ穴が、「クルクル回すだけでどんどん穴に入っていく」やつなのです。ねじ1本にもこんな秘密が…あるんですよ!

ぜっきー主任
なお、豆知識ですが、ネジの穴側を「めねじ」「メス」と、ネジ本体側を「おねじ」「オス」と呼んだりすることがあります。特に、現場作業時に使われることが多いです。

(2) 物作りのルールは、どこに書いてあるの? => JISを調べてみよう

 さて、ではどこに、こういったネジの細かい寸法など、物作りをする上で必要な情報が書かれているでしょうか? => 代表的な正解の1つは、JISです。

 日本のもの作りに関する規格が、JIS(ジス)です。

 JISは、Japanese Industrial Standards : 日本産業規格 (旧 日本工業規格)の略です。

 物作りの業界では、ジスといえば普通に通じます。あとはJIS規格(ジスきかく)とか呼ばれて使われます…頭の頭痛みたいな感じで変ですが。笑

 JISは、日本政府の経済産業省に設置されている、JISC(Japanese Industrial Standards Committee: 日本産業標準調査会 )という審議会が、きちんと審査しているので、紛れもなく正統な日本の物作りの規格でしょう。JIS規格というのは1冊の本の名前を指すのではなく、ある「シリーズもの」という言い方をした方が正しいでしょう。JIS規格は、産業の種別ごとに、「A」とか「B」とかいうアルファベットの分類で分けられていて、さらにその下に、4桁の番号をつけて、1つ1つの規格を分けて考えます。例えば、こんな感じです。

規格番号の例

引用:日本産業標準調査会:産業標準化とJIS (jisc.go.jp)

https://www.jisc.go.jp/jis-act/index.html

 また、たまに、4桁の番号の下に-1(ハイフン1)とか、-2とかいう番号が付くこともありますが、これは、1つ1つの規格が、さらにシリーズものになっている場合に、このようなことがことが起こります。

 なお、JISは、物作りだけを範囲とする規格でなく、日本の産業全体をカバーする規格ですので、キーワード検索などかけてみると、自身の産業に関係するページが出てくるかもしれません。

 検索は、以下のWebサイトから行うことができます。

JISC

引用:

日本産業標準調査会:データベース検索-JIS検索 (jisc.go.jp)

https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html

 JISは、基本的には閲覧無料です。ただ、最近はちゃんと無料登録のようなことをしないと、閲覧できない状態になっているようです。また、閲覧は無料ですが、ダウンロードしてコピーするといったことは禁止されておりますので、ご注意下さい。

 JISを本で読みたい!という方は、以下の「日本規格協会」というところが本として出版していますので、こちらで買ってください~。

JSA(日本規格協会)

引用:

標準化で、世界をつなげる | 日本規格協会(JSA)

https://www.jsa.or.jp/

(3)で、ネジのJIS規格は?

 そして、肝心のネジの規格ですが、実はネジにもいろんなタイプがあって、規格番号も違って…という複雑な話は置いておいて、

例えば「メートルねじ」という種類のネジの寸法の規格は、

JISB0205-1            一般用メートルねじ-第1部:基準山形

JISB0205-2            一般用メートルねじ-第2部:全体系

JISB0205-3            一般用メートルねじ-第3部:ねじ部品用に選択したサイズ

JISB0205-4            一般用メートルねじ-第4部:基準寸法

という番号の規格に記載されています。

ちょっと何が書いてあるかわからないかもしれませんが、興味がある方は覗いてみて下さいね。

(4)規格はJISだけしかない? => いいえ、色々あります!

 物作りや、産業全体に関わるルールには、JISだけではなく、実は色々な規格があります。

 次の講座では、世界の代表的な規格について、紹介していきたいと思います!

出展、参考文献

ねじの規格 【通販モノタロウ】 (monotaro.com)

https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/nejikisokouza_0103/

ねじの各部名称 【通販モノタロウ】 (monotaro.com)

https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/nejikisokouza_0201/

日本産業標準調査会:産業標準化とJIS (jisc.go.jp)

https://www.jisc.go.jp/jis-act/index.html