経済産業省は1日、カーボンプライシング(炭素の価格付け)に関する有識者会議で、二酸化炭素(CO2)削減量を商品化して取引する「カーボン・クレジット市場(炭素削減価値取引市場)」を創設する方針を示した。日本の炭素削減技術を生かし、アジアのカーボンニュートラルの拠点を目指す。脱炭素に野心的な企業を評価し、資金を集める枠組み「カーボンニュートラルトップリーグ(仮称)」という構想も示した。
二酸化炭素(CO2)は、これからは削減したぶんだけお金になる時代へ!カーボンプライシング
現在、二酸化炭素の排出を減らしていこうという取り組みは、世界的に広まっています。地球全体の温度を高める原因となる二酸化炭素。発電所で電気を作るときに、石油を燃やしたりすると作られてしまいますし、身近なところでは、自動車を走らせるときにガソリンを消費したり、暖房としてストーブを使ったりすると、作られてしまいます。この二酸化炭素の作られる量(排出量)を地球全体で減らすためには、全世界の国々が頑張らないと解決しません。そのため、全世界一丸となって頑張ろうという「パリ協定」という約束の元、色々な国の政府と企業が二酸化炭素を減らす方法を考えているのです。日本は、2050年カーボンニュートラル実現を目指しています。
二酸化炭素は、上でも書いたように、色々なところから排出されます。私たちが生活をしている中でも少しずつ排出されていますが、多くの二酸化炭素が排出されるのは、発電所だったり、自動車だったり、工場だったりします。つまり機械が使われるところですね。機械を動かすときに二酸化炭素が排出されるので、機械を多く使う企業の方々には、どうにかして二酸化炭素の排出を減らすこと(例えば、発電するときに二酸化炭素を排出しない、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーで作られた電気を使うなど)を考えてもらう必要があります。
でも、急に二酸化炭素の排出を減らせ!と言われても、企業も困ってしまいます。やっぱり、二酸化炭素を減らすことを頑張ったらご褒美が欲しい、というのが企業側のホンネ。そこで、世界の様々なところで、二酸化炭素の排出を減らした企業が得をして、二酸化炭素の排出が多い企業・排出を減らしてくれない企業にお金がかかるような仕組みが作られつつあります。また、二酸化炭素の排出を「減らした分」に値段をつけて、売り買いできるようにするという取り組みも進められています。これらの取り組みを、カーボンプライシングといいます。
今回のニュース記事は、その売り買いをする場所として、「カーボン・クレジット市場(炭素削減価値取引市場)」というものを作るために、日本の政府が動き出したということが紹介されています!
ヨーロッパのことだから関係ないじゃん!と思う方もおられるかもしれませんが、ヨーロッパが今考えているさらにすごいことは、「他の国から、二酸化炭素をたくさん出す製品などを輸入するのはやめよう」という動きがあることです。そうすると、二酸化炭素の排出を抑えようとしていない製品は、ヨーロッパでは売れなくなってしまいます。それは、日本の製品にも当てはまります。
ですから、二酸化炭素に関する世界的な動きは、注目しておく必要があるわけですね。このWebサイトでも、二酸化炭素排出に関連する情報が入り次第、どんどん紹介していこうと思います!