明日は、夕方が近づくと雪となり気温がぐっと下がる地域が東海地方などで出てきます。この雪雲は、北陸地方から南下してくるようですが、このために電力需要が増加すると見込まれたようです。
夕方の需要ピークでまたしても電力市場価格が高騰、雪雲の南下も影響か
1/17(月)明日は、17時前までは平凡な価格で電力市場(スポット)が推移していますが、17時頃から22時頃まで60円/kWhと、急激な高騰を見せています。
これは、平常の時間帯のおよそ3倍~4倍の価格。電力小売事業者にとっては痛い打撃がまた来た、といった感じです。
明日の天気は、日本海側では既に本日から下り坂となって降る雪が明日も続くようですが、その雪後もが夕方頃までに南下し、東海地方など太平洋側の地域に一部雪を降らせます。雪でない地域でも、全国的に明日は寒気が南下します。
この雪・寒気の南下と夕方17:00頃の電力需要ピークの時間帯を、電力事業者が察知したために市場価格が高騰したと見られます。
1月に入ってから、強い冷え込み・大雪に見舞われた地域も多く、電力市場価格が80円/kWhのインバランス上限に張り付く時間帯がある日も何日かありましたが、そのような中にあっては安く電力が仕入れられる日であると見られます。
そもそも電力価格はどのくらいなのか?
電力市場価格高騰とは言いますが、私たち一般消費者は、直接影響があるわけではありません。
電力市場で明日の電気を買う(予約しておく)のは電力小売事業者で、一般消費者は電力小売事業者から電気を又買するためです。
そういった意味では、電気は野菜や魚と同じステップで取引されていると言えます。つまり、農家や漁師が収穫・捕獲した野菜・魚を、食品小売事業者であるイオンとかライフとかが野菜市場・魚市場から買ってきて、さらにショッピングセンターやスーパーで、イオンとかライフが私たち一般消費者に売る。
電気も同じ流れです。発電所が作る電気を、電力市場(JPEXなど)から電力小売事業者が買ってきて、私たち一般消費者は電力小売事業者が売る値段で電気を買います。
では、どのような値段で私たちが電気を買っているかは、契約している電力小売事業者によって異なります。
● 東京電力エナジーパートナーの電力価格(プラン名:スタンダードS)
例えば、東京電力の場合、一般家庭向けには下記のような値段です。
電力量料金(1kWh)と書いてありますが、1000 W(=1 kW) の家電を1時間使ったときの電力量を1kWhといいます。hが意味するのは、”hour”、つまり1時間という意味です。
1kWというと、強力なドライヤーだと思えばいいでしょう。このドライヤーを1時間使い続けたときにかかる値段が、19.88円とかからスタートする。電気を使い続けて、120kWhと300kWhを超えて使うと、段階的に1kWhの単価が26.46円そして30.57円へと上がるような契約になっています。
使えば使うほど安くなるのではなく、高くなるというのが、この契約の特徴です。それに、基本料金をプラスした値段が請求されるという意味です。
◆ 出典:https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/standard/kanto/index-j.html
● 関西電力の電力価格(プラン名:従量電灯A)
関西電力も、以下の図のとおり東京電力とかなり似たような電気料金プランとなっています。
◆ 出典: https://kepco.jp/ryokin/menu/dento_a/
今回は、東京電力エナジーパートナーと関西電力という大手2社の電気料金プランを紹介しましたが、こういった料金プランとは異なるプランや、インターネットやガスなど他のサービスと合わせた電気料金プランを設定している電力業者も数多くいます。
また、最近では、自宅に太陽光発電や蓄電池を設置し、「サブスク」の状態で使ってもいいよという権利と合わせて、電力を売る電力小売事業者も現れています。こういった電力プランは、PPAと呼ばれています。
※ PPA: Power Purchase Agreement の略
もちろん、電力プラントセットにしなくても、太陽光パネルや蓄電池を単独で買うこともできます。
産業用及び家庭用の、太陽光発電・蓄電池の一括見積は、当サイトのバナーから行って探してみて下さい。
● 電力市場価格と比べると…
これまで紹介したとおり、
- 私たちが買う電気は、1kWh当たり20円から30円(これは、時間帯に関係なし)
- 一方、冒頭で紹介した2020年1月17日(月)の電力市場(JPEXスポット)価格は、安い時間帯は1kWh当たり10円前後ですが、最も高い17頃に60円を付けている
と分かります。
電力小売事業者の利益は、電力市場などから調達してくるときの価格と、私たち一般消費者に売るときの価格の差額から生まれるので、
電力市場価格が高騰すると、赤字になってしまいます。
赤字になると経営破綻してしまうので、私たちに売る価格を値上げするしかありません。これがいつ起こるかが、私たちの気にするところとなります。