2021年6月2日 ニュース記事 ソフトバンクが法人戦略「見据えるは100兆円のDX市場」

(このサイトはPR広告を含みます)

businessnetwork.jpより抜粋
3兆円の通信市場から、100兆円のDX市場へ――。ソフトバンクの宮川潤一社長は2021年6月1日に開催した説明会で、法人事業の方針についてそう述べた。デジタル化によって企業および社会の課題を解決するソリューション提案に、これまで以上に注力。「日本をDX先進国にする」との意気込みを示した。

https://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/8381/Default.aspx?hm_ct=61a37405548685ae8966fc69f4663d19&hm_cv=dabac9011b82257bf78330cb8ed74b98&hm_cs=15014047945ff3b1172434b2.25863242&hm_mid=m5bg

 今回の記事は、ソフトバンクのDX(:デジタルトランスフォーメーション)戦略ということで、電力のお話とは一見関係ないのでは…と思うかもしれませんが、関係大ありなので!!少し記事の補足を加えていきたいと思います!

 この記事には、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一氏が、「製造や物流、医療、公共インフラなど、あらゆる産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)関連ソリューションの総売上高は、2030年には100兆円規模に成長する」と見立てているとあります。公共インフラということは、当然、電力産業もこの中に含まれており、デジタル化・デジタルトランスフォーメーションを進める余地がたくさんある、ということが言えます。

実際、電力産業のデジタル化・デジタルトランスフォーメーションは、近年急速に進んでいます。幾つか理由はあると思いますが、管理人が注目する理由は、

① ドローンの技術の進歩

② 電力データについて、これまで大手電力会社のみが管理していた情報を、他の企業も使えるようにしていこうという動きが経済産業省を中心としてあること

③ 発電量が天候等に左右される、再生可能エネルギーによる発電(風力、太陽光など)が、電力系統にどんどん投入されているため、電力事業者らは発電状況等の系統電力情報を、リアルタイムで把握する必要がある

①のドローンの技術の進歩では、ドローンにカメラ機能を付け写真を撮影し、かつAIによる画像自動診断技術と組み合わせることで、鉄塔や風力発電機といった高さの高い電力設備の点検時間を、従来より大幅に削減することができるようになってきています。

ドローンによる点検の参考記事
https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/1605275_8711.html

 ②の電力データについては、各家庭へのスマートメーター(参考:2021年5月10日 ニュース記事 東電PG、エリア内の次世代量計設置が完了/電力データ活用を強化)の導入が促進したことにより、各家庭の電力使用状況のデータを取得することができるようになりましたが、一方、そのデータの所有者は大手電力会社であったため、データの中身は大手電力会社だけしか知ることができませんでした。

 しかしながら、近年では、そのデータを電力会社以外の事業者も使えるようにしていこうという議論が、経産省で行われています。この議論が進めば、電力データを活用した新しいサービスが、様々な事業者から提供されるようになるでしょう!

電力データに関する参考情報

電力データに関する検討会の例(このイベントは終了)
https://www.meti.go.jp/press/2021/05/20210518002/20210518002.html?from=mj

第20回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会
(少し古い記事)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/020_05_00.pdf

グリッドデータバンク・ラボのご紹介
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/019_07_02.pdf

 ③は、いわずもがな、です。発電量が天候等に左右される「再生可能エネルギー」を系統に大量に導入するということは、リアルタイムで、その発電量がどれだけになるのかを把握し、発電量(電力供給量)が、使用量(電力消費量)を常に上回っていることを、絶えず確認し続けなければなりません。そうでないと、短い時間でも使用量が供給量を超えると、大規模停電が起こる可能性があります。このような危険性を回避するために、リアルタイムの電力データや、あるいは天気予報に基づく発電量の予測データが重要な役割を果たします。

 話を元の記事に戻すと、ソフトバンクに関しては、自社の強みである携帯電話通信ネットワーク等を生かして、通信ネットワークとアプリケーション/サービスを組み合わせて顧客企業の課題解決に取り組み、売上を伸ばしているようですが、電力データの活用もおそらく狙っているのではないかな、と管理人は考えますね。