電気新聞より抜粋
沖縄を除く一般送配電事業者9者と送配電網協議会は17日、需給調整市場の運営を担う「電力需給調整力取引所(EPRX)」を設立したと発表した。これまで一般送配電事業者はエリアごとに公募で調整力を調達してきたが、2021年度から順次、同市場での広域調達に移行していく。電気に関して、私たちの生活の裏側・見えないところで、業者同士の間における売買の仕組みの改革が、どんどん進んでいます。
元々10年以上前までは、電気を作って・送って・人々に届けるという仕事は、大手電力会社(東京電力とか、中部電力とか、関西電力など)のお仕事でした。電気料金は大手電力会社が価格を決めて、その値段でいいか日本政府に了解を取ってから売っていました。このため、電気料金の価格競争が行われることがありませんでした(つまり、電気料金がなかなか安くならなかった)。
しかし現在、大手電力会社以外の会社が、電気を作って・送って・人々に売り届けることができるような仕組み・制度を、日本政府が中心となって作ろうとしています。いわゆる制度改革です。こうすることで、電気料金の価格競争が起こるようにして、より安い電気が皆さんの元に届くようにしようとしているのです。
今回のニュース記事になった「電力需給調整力取引所(EPRX)」の開設も、この改革の中の動きの1つです。詳しくは、このホームページの講座4の方で、もっと分かりやすく解説していきますね。
実は、日本の電力売買の仕組みの改革は、欧米に倣って行われています。つまり、欧米の方がいち早くこのような電力売買の市場・仕組みを完成させており、日本は遅れているのです。