さらに、冬季の需給変動リスク分析では、ほとんどのエリアで2022年2月に厳気象H1需要に対して予備率3%を下回り、東京エリアでは2022年1月及び2月ともに供給力が厳気象H1需要も下回る厳しい状況となっていることを公表した。
また、電源トラブルなど供給力の減少や厳気象などにより、需給ひっ迫が生じる可能性も否定できないと考えていることを明らかにした。。
また、これを踏まえて、小売電気事業者に対し、可能な限り取引所を介した先渡取引や相対取引などを活用した早期の供給力の調達に努めて欲しいという考えを述べた。
https://www.occto.or.jp/kyoukei/oshirase/210407_kyoukyuryokukakuho.html
発電所で作る電気の量は、四六時中、人々が使う電気の量より多くないといけません。なぜなら、(一瞬でもというと言いすぎですが、)一時でも、作るより使う電気の量が大きくなろうとすると、大規模な停電が起こる可能性があるためです。
人々が使う電気の量に対し、発電所から供給される電気の量にどれだけの余裕があるかを示す指標が、「供給予備率(%)」です。電気の余裕分 ÷ 使用量の最大値 で表されます。
供給予備率の必要度合いは、電気の周波数を安定して維持するには3%が、さらに発電機のトラブルなどがあっても停電を起こさないための目安は8~10%とされています。
発電所で作る電気の量が、人々が使う電気の量より不足しないよう、このバランスは常に監視されています。
特に停電の危険性が高いタイミングは、夏場の急な気温の上昇あるいは冬場の急な気温の低下により、暖房機器・冷房機器の使用が全国的に増えるときです。
今回のニュースでは、月別の需給バランス評価(月別上位3日の最大電力平均値に対する供給余力で評価)では、2021年7月に東京エリアで予備率7.5%となり、2022年2月には東京エリアから九州エリアにかけて広域的に予備率が5.8%となるなど、適正予備率である8.0%を下回る結果となっていることが公表されました。
加えて、冬季の需給変動リスク分析では、ほとんどのエリアで2022年2月に厳気象H1需要に対して予備率3%を下回り、東京エリアでは2022年1月及び2月ともに供給力が厳気象H1需要も下回る厳しい状況となっているということで、来年の冬も強い冷え込みの日には電力供給力が不足する懸念が示されました。
このようなニュースが私たちに伝えてくれることには、様々なことがあります。
電力供給システム全体で言えば、もっと供給力の増強が必要でしょうし、一般家庭の視点から見れば、自前で太陽光発電や蓄電池、あるいは電気自動車を購入して、電力不足の状況下では自分で電気を賄えるようにした方がよいかもしれません。電力機器メーカーにとっては、今が機器売りのチャンスですね。
引用、参考文献
供給予備率って、どういう意味? ~エネ百科~