脱炭素社会の実現に向けて大きな役割を期待される洋上風力発電の分野で、東芝とアメリカのGE=ゼネラル・エレクトリックが提携し、風車の基幹設備などの国内生産に乗り出すことになりました。
発表によりますと、東芝とGEはそれぞれエネルギー事業を手がける子会社どうしが、洋上風力発電の分野で戦略的な提携を結びました。
GEは洋上風力発電について豊富な生産実績とノウハウを持っていて、東芝はGEから技術や部品の提供を受け、横浜市内の工場で風車の基幹設備などの生産に乗り出す計画です。
GEが手がける風車は強風でも稼働できる強みがあるということで、両社は秋田県沖と千葉県沖で計画されている洋上風力発電事業への参入を目指すということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210511/k10013024391000.html
当サイトの前回のニュース記事:「2021年4月24日記事 GE、台風に耐える洋上風力 認証取得し日本設置へ」では、GE社(米ゼネラル・エレクトリック)が、台風に耐えられる性能を持つ大型洋上風力発電機を開発したとの紹介をしました。そして、本日の記事は、これと密接に関連する出来事が起こっています。
東芝社が、洋上風力発電の分野でGEと提携することを決めたというのです。そして、東芝はGEから技術や部品の提供を受け、横浜市内の工場で風車の基幹設備などの生産に乗り出すというのです。
当サイトの以前のニュース記事:「2021年5月2日記事 日欧、洋上風力普及で連携 脱炭素化へ部品供給網―製造拠点誘致、アジア輸出も視野」でも紹介しましたが、現在の日本の企業には、洋上風力発電機を1基丸ごと造って販売できるところはありません。そのような状況下においての、東芝のこの発表は、他の日本企業に先駆けて洋上風力発電機の建設技術を培おうとする野心が見受けられます。
このサイトでも幾つか紹介しているとおり、近頃は洋上風力発電に関する国内の動向が、これまでと比べて著しく変化しているように思います。現に、管理人も、メーカーが洋上風力技術を培おうとするならば、グリーンイノベーション基金(当サイトの以前のニュース記事:「2021年4月12日記事 グリーンイノベーション2兆円基金、洋上風力など支援候補に/経産省、18プロジェクトを提示」)にもあるように政府の大きな後押しを得られる今の時期が大きなチャンスなのではないかと思います。