規制料金とは?電気代値上げ(2023年4月から)と今後の電力契約の展望

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規制料金の電気代値上げ、今後の電力会社の選び方について解説します

最近、規制料金の値上げラッシュが大手電力会社各社で始まりました。2022年11月末時点で、東北電力、中国電力、四国電力、沖縄電力、北陸電力の5社が宣言。2023年の4月からの規制料金値上げを、経済産業省に申請したようです。

ところで、この規制料金とは何か、そして、私たちの家計の電気代値上げとどう関わるか、ご存じない方も多いかと思います。実は、多くの家庭が電気料金の値上げの影響を受けることになります。

そこで、この記事では規制料金の値上げ、そして、これからの電力会社の選び方について解説したいと思います。

目次

2023年4月からの規制料金値上げについて解説

規制料金と自由料金

規制料金と自由料金

規制料金とは、大手電力会社の電気料金契約プランの種類の1つです。大手電力会社とは、東京電力、中部電力、東北電力など、2016年より昔からある電力会社のこと。もう少し正確に言うと、私たち一般家庭が大手電力会社と契約できるのは、大手電力会社の電力小売部門の会社になります。つまり、東京電力だと東京電力エナジーパートナー。中部電力だと中部電力ミライズになります。

そして、大手電力会社には、規制料金に加えて自由料金の、大きく2種類の電気料金メニューがあり、私たち一般消費者も選ぶことができます。なお、大手電力会社以外の電力会社は、「新電力」と呼ばれますが、新電力には規制料金メニューはありません。

なぜ、大手電力会社にしか規制料金メニューがないのか?

大手電力会社にしか、規制料金メニューがない理由について紹介します。これは、講座2-1 (3)で紹介した、2016年の電力の小売全面自由化開始が関係します。2016年から、大手電力会社以外の「新電力」も、電気を売れるようになりました。(それまでは、大手電力会社しか、電気を売ってはいけなかった。)そして、大手電力会社も新電力も、電気の料金設定を自由にできるようになりました。政府の狙いは、これによって電力の価格競争を促し、消費者が好きな会社からお得に電気を買えるようにすることでした。

ただ、本当に安くなっていくのか、2016年時点では誰にも分かりませんでした。そこで、政府は保険のような形で、大手電力会社に2016年以前の電気料金の契約プランを残しておくように指示。この、一昔前の大手電力会社の電気料金契約メニューこそが、「規制料金プラン」です。

規制料金プランが残ることで、消費者は急に契約プランを変えても変えなくてもいい。選択肢が広がります。これで政府は、2016年電力小売全面自由化による急な変化から、消費者を守りました。

規制料金の良いところ・悪いところ

規制料金のメリット・デメリット

規制料金の良いところは、政府によって料金設定がチェックされることです。これにより、急に、理由もなく、大手電力会社は電気代の値上げができません。つまり、ぼったくりがないということです。

一方、規制料金の難点は、電気以外のサービスが付かないということです。自由料金プランだと、最近テレビCMで放映されているように、どこかの新電力などが「電気をガスとセットで安く売りますよ」とか、「電気をインターネット契約とセットにして安く売りますよ」などと売り出しています。しかし、規制料金にはそういった追加サービスは付きません。

規制料金と自由料金の特徴について、ごく簡単にまとめると、以下のようになります。

電気代電気以外の追加サービス
規制料金プラン政府がチェックなし
自由料金プラン電力会社が自由に設定あり
☝規制料金と自由料金の特徴

具体的に、規制料金メニューはどれ?

規制料金メニューとは、実際にどのようなプランでしょうか。例えば、東京電力エナジーパートナーの場合は、「従量電灯B」「従量電灯C」が規制料金メニューとなります。特に、一般家庭向けの契約プランは「従量電灯B」の方です。

東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」のプランの詳細

https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/old01.html

なお、他の大手電力会社でも、規制料金メニューには「従量電灯」という名前が付けられています。

また、規制料金メニューは、電力価格競争が落ち着けば廃止する流れとなっています。そのため、各大手電力会社でも、ホームページ上の分かりにくいところで紹介されていたりします。

2022年11月の規制料金の値上げ宣言ラッシュ

規制料金については、この記事の冒頭でも紹介したように、2022年11月末時点で、東北電力、中国電力、四国電力、沖縄電力、北陸電力の5社が大幅な値上げ宣言を行いました。理由は、ウクライナ戦争を発端とする世界的な化石燃料価格の高騰。これにより、各大手電力会社は、現在の規制料金メニューで電気を売り続けてしまうと、赤字が膨らみ続けてしまうためです。

ただし、規制料金の変更は、政府(経済産業省)のチェックを事前に受けます。現在、上記の5社は経済産業省に規制料金の値上げ申請を出したばかりです。5社各社は、2023年4月からの値上げを予定しておりますが、これは経済産業省によるチェックが順当に進んで承認されればの話。場合によっては、5月以降になり得るので、引き続き状況の注視が必要です。

なお、各社の規制料金の宣言値上げ幅については以下の通りで、大幅です。こういった記事を読んでいないと、知らないうちに電気代が高くなっている!と驚くこともあり得ますので、昨今の電力事情には敏感になる必要があります。

値上げ幅新聞発表
東北電力約3割11/25
中国電力約3割11/28
四国電力約3割11/29
沖縄電力約4割11/29
北陸電力約4.5割12/1
☝2023年4月から規制料金の値上げを予定している大手電力会社

今後の電気料金変動の予想

今後、電気料金は業界全体でどのように変化していくでしょうか。筆者の予想をお話します。

そもそも、規制料金の値上げを宣言した大手電力会社もあれば、宣言していない大手電力会社(東京電力や関西電力など)もあります。こういった電力会社の違いは、例えば原子力発電から電力を調達しているなど、各社の電力調達事情によります。そのため、辛うじて余裕のある大手電力会社は、しばらくは規制料金の値上げをせずに経営するでしょう。

しかし、値段の差がつけば、今度は安い電力会社に契約申込みが殺到します。そうすると、余裕があった大手電力会社も規制料金の値上げを始めます。そうなれば、今後はすべての大手電力会社で規制料金の値上げがなされ、新電力が提供する自由料金プランと料金の差はなくなっていくことが予想されます。

ほとんどの電力会社が赤字覚悟で経営している今、業界全体としての電気料金の値上げは、どこかで落ち着くまでは止まらないでしょう。

これからの電力会社の選び方のポイント

電力会社の選び方のポイント

さて、このような規制料金の値上げ宣言ラッシュがなされた今。消費者である私たちが、これからはどのようにして電力会社を選べばよいか。そのポイントについて解説したいと思います。

① 電気料金の値上げが続く中でも、安い電力会社をチェック

まずは、これからしばらくの間、電気料金の業界全体での値上げが進みます。その動向をニュースや、当サイトの発信するTwitter(以下にリンク有)などを注視。その流れの中でも安い料金で契約できる大手電力会社、そして新電力を見極めて契約をすることで、電気代の値上がりを少しでも抑えることがポイントです。

当サイトのTwitter: https://twitter.com/EnergyProblem

② 電気以外の追加サービスの良し悪し・価値の差で決める

業界全体で、規制料金も自由料金も、値段の差がどの会社もなくなっていきます。そうすると、次に重要となるのは、自由料金プラン。なぜなら、先ほども説明したように、自由料金には電力会社が追加サービスを自由に付けることができるからです。

そのため今後は、この自由料金プランに追加されるサービスの良し悪し・価値の差が、「消費者がどの電力会社と契約するか」を決めるポイントになるでしょう。

どの電力会社が、電気以外にどんなサービスを追加しているかチェックしてみましょう。

③ 電気料金見直しのシミュレーションをするなら「エネチェンジ」

電力会社の切り替えを検討するときに、現在の契約よりお得になる電力会社の情報を教えてくれるサイトを紹介します。以下の、「エネチェンジ」というサイトです。

以下の図をクリックすると、電気代をシミュレーションする「エネチェンジ」のサイトに飛びます。
そこで、以下のような画面のとおり現在の電力会社・電気代などの情報を入力すると、現在よりもさらにお得になる電力会社を紹介してくれる仕組みです。

シミュレーションは無料でできますので、是非一度、試してみてください。

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電気代のシミュレーション条件入力画面1
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