2021年5月2日ニュース記事 日欧、洋上風力普及で連携 脱炭素化へ部品供給網―製造拠点誘致、アジア輸出も視野

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時事ドットコムニュースより抜粋
 政府が洋上風力発電の普及に向け、日本と欧州企業の連携によるサプライチェーン(供給網)づくりに乗り出すことが1日、分かった。先行する欧州の技術を取り込み、日本企業が部品供給を担う形を目指す。将来は製造拠点の国内誘致、アジアへの輸出も視野に入れる。
 2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを目指す政府は洋上風力を脱炭素化の「切り札」と位置付けている。一方、世界的に拡大する風力発電ビジネスで日本勢は出遅れが指摘されており、日欧連携をてこに巻き返す構えだ。
 第1弾として、政府は17日に経団連との共催で洋上風力に関するオンラインセミナーを開く。独シーメンス・エナジーなど世界トップレベルの企業を招き、発電機や変圧器などを格納する「ナセル」の関連部品を製造できる日本企業とのマッチングを図る。風車部品を作る技術力を持った国内の中堅・中小企業を発掘する狙いもある。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021050100376&g=eco&p=20210501ax16S&rel=pv

 洋上風力については、現在のところ日本の企業は、大手重工業メーカーといえども1基丸ごと作って販売しているところはありません。菅首相が、「2050年カーボンニュートラル実現」(2020/10/26のニュース記事参照)を宣言する前までは、日本の企業は、風力発電事業からは撤退気味でした。そのため、資源エネ庁が「2040年までに3,000~4,500万kWの洋上風力を日本国内に導入」(2020/12/15のニュース記事を参照)を表明し、補助金などで設備投資を後押しする予定であるものの、実は日本の企業はこの建設に積極的に入っていくことができなかったのです。

 そうすると、結局ヨーロッパなど海外の洋上風力のメーカーが造ると手を挙げてくることになり、日本の重工業メーカーは儲けることができなくなってしまうんですよね。。。実際、風力発電用の風車の建設について、現在高い技術を保有しているのはヨーロッパです。せっかくだから、こういう大きな洋上風力のプロジェクトには、日本の企業に関わってもらって儲けて欲しい。そうすれば、日本の企業で働く日本人の方々の雇用が生まれたり、所得に還元されたりします。コロナ禍で、企業倒産や就職難が起こっていますから、そういう形が本来望ましく、海外のメーカーに持ってかれちゃうのは惜しいですね。

 そんな折に、本日のこのニュースは、日本企業にとっては吉報です。記事には、「政府が洋上風力発電の普及に向け、日本と欧州企業の連携によるサプライチェーン(供給網)づくりに乗り出す。先行する欧州の技術を取り込み、日本企業が部品供給を担う形を目指す。」とあります。要するに、洋上風力発電機(風車)を造ることができない今の日本企業の状況を打開するために、ヨーロッパの大手風車メーカーから、まずは部品の製作を受注して、少しずつ洋上の大型風車を日本でも造れるようにしていこうと、日本政府が色々考えてくれるようです。

 日本に建設する風車の部品を、ヨーロッパではなく日本で造れるようになると、ヨーロッパの大手風車メーカーにもメリットがあります。そのメリットとは、部品をヨーロッパから日本まではるばる輸送する手間と船代などの費用が削減できることです。輸送の手間が削減できると、風車の建設期間の短縮や、輸送中の海上事故によって部品が台無しになるリスクを回避することができます。また、船代の削減により、部品のコストが下がれば、ヨーロッパの風車メーカーも儲け分が増えます。このような観点から、日本政府の今回のような活動は、日本にとってもヨーロッパのメーカーにとってもWin-Winな結果に向かっていくはずです。

 ですから、個人的には、こういった機会を日本のメーカーが活用されて、日本の技術力がどんどん向上していくといいなと思います!

ぜっきー主任
日本のメーカーが部品の発注を受けると、「部品の部品」を作る会社にもお金が回ったり、「部品の検査」をする会社にもお金が回るようになり、連鎖的に雇用が創出されていくようになるでしょう。
ナゼる アシスタント
日本のたくさんの会社に、洋上風力事業に興味を持ってもらいたいデスね!