◆容量90万キロワット増
東京電力パワーグリッド(PG)と中部電力パワーグリッド(PG)の両エリアで建設を進めていた「飛騨信濃周波数変換設備(FC)」が、31日に運用を開始する。これにより、東京中部間連系線の運用容量は同日午後7時以降、現在の120万キロワットから210万キロワットへと拡大。東西エリア間で頻発しているスポット市場の分断解消や値差の縮小が期待される。
今後の電力市場活性化に向けて期待が高まる、素晴らしいニュースです!日本の電気は、
このニュースにもある「飛騨信濃周波数変換設備(FC)」を境に、西側(西日本)では60 Hzの振動をする交流電流が、東側(東日本)では50 Hzの振動をする交流電流が流れています。
Hzというのは、「ヘルツ」と読む、「1秒間に何回振動するか」を表す単位で、1 Hzだと1秒間に1回、50 Hzだと1秒間に50回振動するという意味です
つまり、西と東で、実は流れている電気が違うんです。流れている電気が違うと何が起こるかというと、「おすそ分け」が簡単にできなくなってしまいます。
例えば、東日本で、大地震や台風により様々な発電所が動かなくなってしまったとしましょう。そうすると、東日本で電力が足りなくなってしまうので、西日本から電力を「おすそ分け」して欲しいなぁということになります。 でも、西日本から東日本に電力を送るときは、60 Hzの電気を50 Hzになおしてから送らなりません。その「なおす」ためには装置が必要で、装置の限界もあって、たくさんの電力を西日本と東日本の間でやりとりできませんでした。
このニュースは、なんと、その東西の電気の違いを「なおす」設備である「飛騨信濃周波数変換設備(FC)」がパワーアップしたっていうお話です!!これまでは120万キロワットで、それが210万キロワットになったようです!!すげぇっっ!!…ってどれくらいか、ピンとはきませんよね (笑)
例えば、原子力発電所1基はおよそ100万キロワットで、約30万世帯のおうちの電気を賄うことができます。なので、今回のパワーアップは、もともと120万キロワット、つまり原発1基分くらいは「おすそ分け」する力があったけど、210万キロワットにパワーアップしたから、おすそ分け能力が原発2基分(60万世帯のおうち分)くらいになったってことになります!それだけ、災害時に電気に困った人・おうちを助けることができるようになったんだということ、覚えておいてもらえればと思います!!
参考・引用
https://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/press/2021/1591426_8616.html
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2021/04/0401b.html
https://www.occto.or.jp/capacity-market/
https://www.occto.or.jp/market-board/market/files/youryou_gaiyousetumei.pdf
ちなみに、じゃあなんで最初から50 Hzと60 Hzで違ったの?って疑問に思う人もいるかもしれませんが、これは歴史の問題なので、気にしないで…笑 気が向いたら、講座で紹介します!笑